障害者福祉領域における福祉施設の根拠法とその機能

障害者福祉領域における福祉施設はどの法律を根拠としていて、その機能はどうなっているのでしょうか?

今回紹介するのは『公認心理師エッセンシャルズ』(p.120~122)に書かれている7施設です。

  • 精神保健福祉センター
  • 障害者支援施設
  • 地域活動支援センター
  • 福祉ホーム
  • 知的障害者更生相談所
  • 障害者就業・生活支援センター
  • 障害者職業センター

それでは、障害者福祉領域の福祉施設を見ていきましょう。

精神保健福祉センター

精神保健福祉センターの根拠法、機能はどうなっているのでしょうか?

精神保健福祉センターの根拠法

根拠となる法律:精神保健福祉法

精神保健福祉センターは精神保健福祉法が根拠となっています。

第6条
都道府県は、精神保健の向上及び精神障害者の福祉の増進を図るための機関(以下「精神保健福祉センター」という。)を置くものとする。

精神保健福祉法

精神保健福祉法上では、精神保健福祉センターは「精神保健の向上及び精神障害者の福祉の増進を図るための機関」と書かれています。

精神保健福祉センターは都道府県が設置することになっています。

精神保健福祉センターの機能

精神保健福祉センターの機能は、精神保健福祉法第6条第2項に書かれています。

第6条第2項
精神保健福祉センターは、次に掲げる業務を行うものとする。
第1号
精神保健及び精神障害者の福祉に関する知識の普及を図り、及び調査研究を行うこと。
第2号
精神保健及び精神障害者の福祉に関する相談及び指導のうち複雑又は困難なものを行うこと。
第3号
精神医療審査会の事務を行うこと。
第4号
第四十五条第一項の申請に対する決定及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第五十二条第一項に規定する支援認定(精神障害者に係るものに限る。)に関する事務のうち専門的な知識及び技術を必要とするものを行うこと。
第5号
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第二十二条第二項又は第五十一条の七第二項の規定により、市町村(特別区を含む。第四十七条第三項及び第四項を除き、以下同じ。)が同法第二十二条第一項又は第五十一条の七第一項の支給の要否の決定を行うに当たり意見を述べること。
第6号
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第二十六条第一項又は第五十一条の十一の規定により、市町村に対して技術的事項についての協力その他必要な援助を行うこと。

精神保健福祉法

精神保健福祉センターの業務は6つあります。そのうち、他の条文や法律と関係していないものが3つあります。

  • 精神保健・精神障害者の福祉に関する知識の普及、調査研究(第6条第2項第1号)
  • 精神保健・精神障害者の福祉に関する複雑・困難な相談・指導(第6条第2項第2号)
  • 精神医療審査会の事務(第6条第2項第3号)

精神保健福祉法第6条第2項第4号に書かれている業務は、第45条第1項の申請に対する決定、障害者総合支援法第52条第1項に規定する支援認定に関する専門的な事務の2つです。

第45条第1項から見てみましょう。

第45条第1項
精神障害者(知的障害者を除く。以下この章及び次章において同じ。)は、厚生労働省令で定める書類を添えて、その居住地(居住地を有しないときは、その現在地)の都道府県知事に精神障害者保健福祉手帳の交付を申請することができる。

精神保健福祉法

精神保健福祉法第45条第1項には精神障害者保健福祉手帳の申請について書かれています。

この申請に対する決定が精神保健福祉センターの業務です。

次に、障害者総合支援法第52条第1項を見てみましょう。

障害者総合支援法第52条第1項
自立支援医療費の支給を受けようとする障害者又は障害児の保護者は、市町村等の自立支援医療費を支給する旨の認定(以下「支給認定」という。)を受けなければならない。

障害者総合支援法

障害者総合支援法第52条第1項には、自立支援医療費の支給について書かれています。

精神保健福祉センターは、この支援認定に関する専門的な事務を行うことになっています。

精神保健福祉法第6条第2項第5号には、障害者総合支援法第22条第1項・第2項、第51条の7第1項・第2項が出てきます。

障害者総合支援法第22条
市町村は、第二十条第一項の申請に係る障害者等の障害支援区分、当該障害者等の介護を行う者の状況、当該障害者等の置かれている環境、当該申請に係る障害者等又は障害児の保護者の障害福祉サービスの利用に関する意向その他の厚生労働省令で定める事項を勘案して介護給付費等の支給の要否の決定(以下この条及び第二十七条において「支給要否決定」という。)を行うものとする。
第2項
市町村は、支給要否決定を行うに当たって必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、市町村審査会又は身体障害者福祉法第九条第七項に規定する身体障害者更生相談所(第七十四条及び第七十六条第三項において「身体障害者更生相談所」という。)、知的障害者福祉法第九条第六項に規定する知的障害者更生相談所、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第六条第一項に規定する精神保健福祉センター若しくは児童相談所(以下「身体障害者更生相談所等」と総称する。)その他厚生労働省令で定める機関の意見を聴くことができる。

障害者総合支援法

障害者総合支援法第22条には、市町村が介護給付費等の支給要否決定を行うことが書かれています。

第22条第2項は、市町村その決定を行うときに他機関の意見を聴くことができると書かれていて、その中に精神保健福祉センターが含まれています。

第22条第2項以降は「身体障害者更生相談所等」に精神保健福祉センターが含まれることになります。

障害者総合支援法第51条の7第1項・第2項を見てみましょう。

障害者総合支援法第51条の7
市町村は、前条第一項の申請があったときは、当該申請に係る障害者の心身の状態、当該障害者の地域相談支援の利用に関する意向その他の厚生労働省令で定める事項を勘案して地域相談支援給付費等の支給の要否の決定(以下この条及び第五十一条の十二において「給付要否決定」という。)を行うものとする。
第2項
市町村は、給付要否決定を行うに当たって必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、市町村審査会、身体障害者更生相談所等その他厚生労働省令で定める機関の意見を聴くことができる。

障害者総合支援法

障害者総合支援法第51条の7には、地域相談支援給付費等について市町村が給付要否決定を行うと書かれています。

第2項には、その決定を行う際に他機関に意見を聴くことができると書かれています。身体障害者更生相談所等に精神保健福祉センターが含まれています。

最後に、精神保健福祉法第6条第2項第6号です。そこには、障害者総合支援法第26条第1項と第51条の11が出てきます。

障害者総合支援法第26条
都道府県は、市町村の求めに応じ、市町村が行う第十九条から第二十二条まで、第二十四条及び前条の規定による業務に関し、その設置する身体障害者更生相談所等による技術的事項についての協力その他市町村に対する必要な援助を行うものとする。

障害者総合支援法

障害者総合支援法第51条の11
都道府県は、市町村の求めに応じ、市町村が行う第五十一条の五から第五十一条の七まで、第五十一条の九及び前条の規定による業務に関し、その設置する身体障害者更生相談所等による技術的事項についての協力その他市町村に対する必要な援助を行うものとする。

障害者総合支援法

第26条には、介護給付費等に関する協力・援助を行うことが書かれています。

第51条の11には、地域相談支援給付費等に関する協力・援助を行うことが書かれています。。

身体障害者更生相談所等には精神保健福祉センターが含まれています。

精神保健福祉センターの機能をまとめると、次のようになります。

  • 精神保健・精神障害者の福祉に関する知識の普及、調査研究(第6条第2項第1号)
  • 精神保健・精神障害者の福祉に関する複雑・困難な相談・指導(第6条第2項第2号)
  • 精神医療審査会の事務(第6条第2項第3号)
  • 精神障害者保健福祉手帳の申請に対する決定、自立支援医療費の支給に関する専門的な事務(第6条第2項第4号)
  • 介護給付費等の支給要否決、地域相談支援給付費等の給付要否決定について意見を述べること(第6条第2項第5号)
  • 介護給付費等の支給、地域相談支援給付費等の給付に関する、市町村に対する必要な協力・援助(第6条第2項第6号)

障害者支援施設

障害者支援施設の根拠法、機能はどうなっているのでしょうか?

障害者支援施設の根拠法

根拠となる法律:障害者総合支援法

障害者支援施設は障害者総合支援法を根拠としています。

第83条
国は、障害者支援施設を設置しなければならない。
第2項
都道府県は、障害者支援施設を設置することができる。
第3項
市町村は、あらかじめ厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出て、障害者支援施設を設置することができる。
第4項
国、都道府県及び市町村以外の者は、社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)の定めるところにより、障害者支援施設を設置することができる。

障害者総合支援法

国には障害支援施設の設置義務があり、都道府県は設置可能となっています。

市町村は、厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出ることで、設置することができます。

それ以外は、社会福祉法の定めに従って設置することができます。

障害者支援施設の機能

障害者支援施設の機能は、障害者総合支援法第5条第11項に書かれています。

第5条第11項
この法律において「障害者支援施設」とは、障害者につき、施設入所支援を行うとともに、施設入所支援以外の施設障害者福祉サービスを行う施設(のぞみの園及び第一項の厚生労働省令で定める施設を除く。)をいう。

障害者総合支援法

障害者支援施設は入所支援と入所以外の施設障害者福祉サービスを行う施設となっています。

『公認心理師エッセンシャルズ』には、「日中活動系サービスの生活介護と夜間対応の施設入所支援がある」(p.122)と書かれています。

地域活動支援センター

地域活動支援センターの根拠法、機能はどうなっているのでしょうか?

地域活動支援センターの根拠法

根拠となる法律:障害者総合支援法

地域活動支援センターは障害者総合支援法を根拠としています。

第79条
都道府県は、次に掲げる事業を行うことができる。
第4号
地域活動支援センターを経営する事業
第2項
国及び都道府県以外の者は、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出て、前項各号に掲げる事業を行うことができる。

障害者総合支援法

都道府県は地域活動支援センターを経営する事業を行うことができるとなっています。

国と都道府県以外は、厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出て、地域活動支援センターを経営する事業をすることができます。

地域活動支援センターの機能

地域活動支援センターの機能は障害者総合支援法第5条第27項に書かれています。

第5条第27項
この法律において「地域活動支援センター」とは、障害者等を通わせ、創作的活動又は生産活動の機会を提供、社会との交流の促進その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する施設をいう。

障害者総合支援法

地域活動支援センターの機能は、次の4つです。

  • 障害者に創作的活動
  • 生産活動の機会の提供
  • 社会との交流の促進
  • その他厚生労働省令で定めること

また、地域活動支援センターには1型、2型、3型があります(本来はローマ数字)。

厚生労働省の地域活動支援センター機能強化事業(PDFファイル;p.19)では、それぞれの事業形態の例として次のように書かれています。職員配置も合わせて書いておきます。

地域活動支援センター1型
専門職員(精神保健福祉士等)を配置し、医療・福祉及び地域の社会基盤との連携強化のための調整、地域住民ボランティア育成、障害に対する理解促進を図るための普及啓発等の事業を実施する。なお、相談支援事業を併せて実施又は委託を受けていることを要件とする。
基礎的事業による職員の他1名以上を配置し、うち2名以上を常勤とする。

地域活動支援センター機能強化事業

地域活動支援センター2型
地域において雇用・就労が困難か在宅障害者に対し、機能訓練、社会適応訓練、入浴等のサービスを実施する。
基礎的事業による職員の他1名以上を配置し、うち1名以上を常勤とする。

地域活動支援センター機能強化事業

地域活動支援センター3型
(ア)地域の障害者のための援護対策として地域の障害者団体等が実施する通所による援護事業の実績を概ね5年以上有し、安定的な運営が図られている。
(イ)このほか、自立支援給付に基づく事業所に併設して実施することも可能である。
基礎的事業による職員のうち1名以上を常勤とする。

地域活動支援センター機能強化事業

基礎的事業は「利用者に対し創作的活動、生産活動の機会の提供等地域の実情に応じた支援」のことで、職員配置は「2名以上とし、うち1名は専任者とする」となっています。

福祉ホーム

福祉ホームの根拠法、機能はどうなっているのでしょうか?

福祉ホームの根拠法

根拠となる法律:障害者総合支援法

福祉ホームは障害者総合支援法を根拠としています。

第79条
都道府県は、次に掲げる事業を行うことができる。
第5号
福祉ホームを経営する事業
第2項
国及び都道府県以外の者は、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出て、前項各号に掲げる事業を行うことができる。

障害者総合支援法

都道府県は福祉ホームを経営する事業を行うことができるとなっています。

国と都道府県以外は、厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出て、福祉ホームを経営する事業を行うことができます。

福祉ホームの機能

福祉ホームの機能は障害者総合支援法第5条第28項に書かれています。

第5条第28項
この法律において「福祉ホーム」とは、現に住居を求めている障害者につき、低額な料金で、居室その他の設備を利用させるとともに、日常生活に必要な便宜を供与する施設をいう。

障害者総合支援法

福祉ホームの対象は、住居を求めている障害者となっています。

その機能は2つです。

  • 低額な料金で居室その他の設備を利用させること
  • 日常生活に必要なものを供与すること

『公認心理師エッセンシャルズ』には次のように書かれています。

障害をもっている人が、社会参加するための訓練の場としてさまざまな活動を提供する施設である。福祉ホームは個室であることが多く、自立訓練の場となっている。(p.123)

『公認心理師エッセンシャルズ』

居室を低額で提供するだけでなく、社会参加のための訓練、自立訓練の場ともなっています。

知的障害者更生相談所

知的障害者更生相談所の根拠法、機能はどうなっているのでしょうか?

知的障害者更生相談所の根拠法

根拠となる法律:知的障害者福祉法

知的障害者更生相談所は知的障害者福祉法を根拠としています。

第12条
都道府県は知的障害者更生相談所を設けなければならない。

知的障害者福祉法

都道府県には知的障害者更生相談所の設置義務があります。

知的障害者更生相談所の機能

知的障害者更生相談所の機能は知的障害者福祉法第12条第2項、第3項に書かれています。

第12条第2項
知的障害者更生相談所は、知的障害者の福祉に関し、主として前条第一項第一号に掲げる業務(第十六条第一項第二号の措置に係るものに限る。)並びに前条第一項第二号ロ及びハに掲げる業務並びに障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第二十二条第二項及び第三項、第二十六条第一項、第五十一条の七第二項及び第三項並びに第五十一条の十一に規定する業務を行うものとする。
第3項
知的障害者更生相談所は、必要に応じ、巡回して、前項の業務を行うことができる。

知的障害者福祉法

知的障害者福祉法第11条第1項第1号、第2号ロ・ハを見てみましょう。

第11条第1項第1号
市町村の更生援護の実施に関し、市町村相互間の連絡及び調整、市町村に対する情報の提供その他必要な援助を行うこと並びにこれらに付随する業務を行うこと。
第2号
知的障害者の福祉に関し、次に掲げる業務を行うこと。

知的障害者に関する相談及び指導のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものを行うこと。

十八歳以上の知的障害者の医学的、心理学的及び職能的判定を行うこと。

知的障害者福祉法

知的障害者更生相談所の機能のうち、知的障害者福祉法に関係するものは3つです。

  • 更生援護に関する市町村間の連絡調整、情報提供、援助
  • 知的障害者に関する専門的な相談・指導
  • 18歳以上の知的障害者の医学的・心理学的・職能的判定

知的障害者更生相談所の機能には、障害者総合支援法第22条第2項・第3項、第26条第1項、第51条の7第2項・第3項、第51条の11に規定されているものもあります。

障害者総合支援法第22条第2項
市町村は、支給要否決定を行うに当たって必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、市町村審査会又は身体障害者福祉法第九条第七項に規定する身体障害者更生相談所(第七十四条及び第七十六条第三項において「身体障害者更生相談所」という。)、知的障害者福祉法第九条第六項に規定する知的障害者更生相談所、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第六条第一項に規定する精神保健福祉センター若しくは児童相談所(以下「身体障害者更生相談所等」と総称する。)その他厚生労働省令で定める機関の意見を聴くことができる。
第3項
市町村審査会、身体障害者更生相談所等又は前項の厚生労働省令で定める機関は、同項の意見を述べるに当たって必要があると認めるときは、当該支給要否決定に係る障害者等、その家族、医師その他の関係者の意見を聴くことができる。

障害者総合支援法

障害者総合支援法第22条第2項・第3項は、介護給付費等の支給要否決定に関するものです。

知的障害者更生相談所は支給要否決定について意見を述べることができ、当該の障害者・その家族・医師等に意見を聴くことができます。

第22条第2項以降は、「身体障害者更生相談所等」に知的障害者更生相談所が含まれることになります。

障害者総合支援法第26条
都道府県は、市町村の求めに応じ、市町村が行う第十九条から第二十二条まで、第二十四条及び前条の規定による業務に関し、その設置する身体障害者更生相談所等による技術的事項についての協力その他市町村に対する必要な援助を行うものとする。

障害者総合支援法

障害者総合支援法第26条は、市町村に対して介護給付費等に関する協力・援助を行うことが書かれています。これも知的障害者更生相談所の機能になります。

障害者総合支援法第51条の11
都道府県は、市町村の求めに応じ、市町村が行う第五十一条の五から第五十一条の七まで、第五十一条の九及び前条の規定による業務に関し、その設置する身体障害者更生相談所等による技術的事項についての協力その他市町村に対する必要な援助を行うものとする。

障害者総合支援法

障害者総合支援法第51条の11は、市町村に対して地域相談支援給付費等に関する協力・援助を行うことが書かれています。

知的障害者更生相談所の機能をまとめると、次のようになります。

  • 更生援護に関する市町村間の連絡調整、情報提供、援助(第11条第1項第1号)
  • 知的障害者に関する専門的な相談・指導(第11条第1項第2号ロ)
  • 18歳以上の知的障害者の医学的・心理学的・職能的判定(第11条第1項第2号ハ)
  • 介護給付費等の支給要否決定に関して意見を述べること、当該の障害者・家族・医師等から意見を聴くこと(障害者総合支援法第第22条第2項・第3項)
  • 介護給付費等に関する、市町村に対する協力・援助(障害者総合支援法第26条)
  • 地域相談支援給付費等の給付に関する、市町村に対する協力・援助(障害者総合支援法第51条の11)

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターの根拠法、機能はどうなっているのでしょうか?

障害者就業・生活支援センターの根拠法

根拠となる法律:障害者雇用促進法

障害者就業・生活支援センターは障害者雇用促進法を根拠としています。

第27条
都道府県知事は、職業生活における自立を図るために就業及びこれに伴う日常生活又は社会生活上の支援を必要とする障害者(以下この節において「支援対象障害者」という。)の職業の安定を図ることを目的とする一般社団法人若しくは一般財団法人、社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第二十二条に規定する社会福祉法人又は特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人その他厚生労働省令で定める法人であつて、次条に規定する業務に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、同条に規定する業務を行う者として指定することができる。
(第1号・第2号省略)
第2項
都道府県知事は、前項の規定による指定をしたときは、同項の規定による指定を受けた者(以下「障害者就業・生活支援センター」という。)の名称及び住所並びに事務所の所在地を公示しなければならない。

障害者雇用促進法

障害者就業・生活支援センターは、職業の安定を図ることを目的とする一般社団法人、一般財団法人、特定非営利活動法人、厚生労働省令で定める法人が申請し、基準に適合すると認められた場合に、都道府県知事が指定するものです。

障害者就業・生活支援センターの機能

障害者就業・生活支援センターの機能は、障害者雇用促進法第28条に書かれています。

第28条
障害者就業・生活支援センターは、次に掲げる業務を行うものとする。
第1号
支援対象障害者からの相談に応じ、必要な指導及び助言を行うとともに、公共職業安定所、地域障害者職業センター、社会福祉施設、医療施設、特別支援学校その他の関係機関との連絡調整その他厚生労働省令で定める援助を総合的に行うこと。
第2号
支援対象障害者が障害者職業総合センター、地域障害者職業センターその他厚生労働省令で定める事業主により行われる職業準備訓練を受けることについてあつせんすること。
第3号
前二号に掲げるもののほか、支援対象障害者がその職業生活における自立を図るために必要な業務を行うこと。

障害者雇用促進法

障害者就業・生活支援センターの機能は3つです。

  • 支援対象障害者からの相談、指導・助言、関係機関との連絡調整(第28条第1項第1号)
  • 職業準備訓練の斡旋(第28条第1項第2号)
  • 支援対象障害者が職業生活における自立を図るために必要な業務(第28条第1項第3号)

障害者職業センター

障害者職業センターの根拠法、機能はどうなっているのでしょうか?

障害者職業センターの根拠法

根拠となる法律:障害者雇用促進法

障害者職業センターは障害者雇用促進法を根拠としています。

第19条
厚生労働大臣は、障害者の職業生活における自立を促進するため、次に掲げる施設(以下「障害者職業センター」という。)の設置及び運営の業務を行う。
第1号
障害者職業総合センター
第2号
広域障害者職業センター
第3号
地域障害者職業センター

障害者雇用促進法

障害者職業センターは、厚生労働大臣に設置義務がある施設です。

障害者職業センターは、障害者職業総合センター、広域障害者職業センター、地域障害者職業センターの3種類あります。

障害者職業センターの機能

障害者職業総合センター、広域障害者職業センター、地域障害者職業センターそれぞれの機能を見てきましょう。

障害者職業総合センターの機能

障害者職業総合センターの機能は障害者雇用促進法第20条に書かれています。

第20条
障害者職業総合センターは、次に掲げる業務を行う。
第1号
職業リハビリテーション(職業訓練を除く。第五号イ及び第二十五条第三項を除き、以下この節において同じ。)に関する調査及び研究を行うこと。
第2号
障害者の雇用に関する情報の収集、分析及び提供を行うこと。
第3号
第二十四条の障害者職業カウンセラー及び職場適応援助者(身体障害者、知的障害者、精神障害者その他厚生労働省令で定める障害者(以下「知的障害者等」という。)が職場に適応することを容易にするための援助を行う者をいう。以下同じ。)の養成及び研修を行うこと。
第4号
広域障害者職業センター、地域障害者職業センター、第二十七条第二項の障害者就業・生活支援センターその他の関係機関に対する職業リハビリテーションに関する技術的事項についての助言、指導その他の援助を行うこと。
第5号
前各号に掲げる業務に付随して、次に掲げる業務を行うこと。

障害者の職業評価(障害者の職業能力、適性等を評価し、及び必要な職業の措置を判定することをいう。以下同じ。)、職業指導、基本的な労働の習慣を体得させるための訓練(第二十二条第一号及び第二十八条第二号において「職業準備訓練」という。)並びに職業に必要な知識及び技能を習得させるための講習(以下「職業講習」という。)を行うこと。

事業主に雇用されている知的障害者等に対する職場への適応に関する事項についての助言又は指導を行うこと。

事業主に対する障害者の雇用管理に関する事項についての助言その他の援助を行うこと。
第6号
前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

障害者雇用促進法

障害者職業総合センターに機能は8つあります。

  • 職業リハビリテーションに関する調査・研究(第20条第1項第1号)
  • 障害者の雇用に関する情報収集・分析・提供(第20条第1項第2号)
  • 障害者職業カンセラー・職場適応援助者の養成・研修(第20条第1項第3号)
  • 職業リハビリテーションに関する助言・指導(第20条第1項第4号)
  • 障害者の職業評価、職業指導、職業準備訓練、職業講習(第20条第1項第5号イ)
  • 知的障害者等に対する職場への適応に関する助言・指導(第20条第1項第5号ロ)
  • 事業主に対する障害者の雇用に関する助言・援助(第20条第1項第5号ハ)
  • 上記に附帯する業務(第20条第1項第6号)

広域障害者職業センターの機能

広域障害者職業センターの機能は障害者雇用促進法第21条に書かれています。

第21条
広域障害者職業センターは、区範囲の地域にわたり、系統的に職業リハビリテーションの措置を受けることを必要とする障害者に関して、障害者職業能力開発校又は独立行政法人労働者健康安全機構(平成十四年法律第百七十一号)第十二条第一項第一号に掲げる療養施設その他の厚生労働省令で定める施設との密接な連携の下に、次に掲げる業務を行う。
第1号
厚生労働省令で定める障害者に対する職業評価、職業指導及び職業講習を系統的に行うこと。
第2号
前号の措置を受けた障害者を雇用し、又は雇用しようとする事業主に対する障害者の雇用管理に関する事項について助言その他の援助を行うこと。
第3号
前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

障害者雇用促進法

広域障害者職業センターの機能は3つです。

  • 厚生労働省令で定める障害者に対する系統的な職業評価、職業指導、職業講習(第21条第1項第1号)
  • 上記を受けた障害者を雇用する・雇用しようとする事業主に対する障害者の雇用管理に関する助言・援助(第21条第1項第2号)
  • 上記に附帯する業務(第21条第1項第3号)

地域障害者職業センターの機能

地域障害者職業センターの機能は障害者雇用促進法第22条に書かれています。

第22条
地域障害者職業センターは、都道府県の区域内において、次に掲げる業務を行う。
第1号
障害者に対する職業評価、職業指導、職業準備訓練及び職業講習を行うこと。
第2号
事業主に雇用されている知的障害者等に対する職場への適応に関する事項についての助言又は指導を行うこと。
第3号
事業主に対する障害者の雇用管理に関する事項についての助言その他の援助を行うこと。
第4号
職業適応援助者の養成及び研修を行うこと。
第5号
第二十七条第二項の障害者就業・生活支援センターその他の関係機関に対する職業リハビリテーションに関する技術的事項についての助言その他の援助を行うこと。
第6号
前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

障害者雇用促進法

地域障害者職業センターの機能は6つあります。

  • 障害者に対する職業評価、職業指導、職業準備訓練、職業講習(第22条第1項第1号)
  • 雇用されている知的障害者等に対する職場適応に関する助言・指導(第22条第1項第2号)
  • 事業主に対する障害者の雇用管理に関する助言・援助(第22条第1項第3号)
  • 職業適応援助者の養成・研修(第22条第1項第4号)
  • 職業リハビリテーションに関する助言・援助(第22条第1項第5号)
  • 上記に附帯する業務(第22条第1項第6号)

まとめ

精神保健福祉センター

  • 根拠法:精神保健福祉法
  • 機能:
    精神保健・精神障害者の福祉に関する知識の普及、調査研究(第6条第2項第1号)
    精神保健・精神障害者の福祉に関する複雑・困難な相談・指導(第6条第2項第2号)
    精神医療審査会の事務(第6条第2項第3号)
    精神障害者保健福祉手帳の申請に対する決定、自立支援医療費の支給に関する専門的な事務(第6条第2項第4号)
    介護給付費等の支給要否決、地域相談支援給付費等の給付要否決定について意見を述べること(第6条第2項第5号)
    介護給付費等の支給、地域相談支援給付費等の給付に関する、市町村に対する必要な協力・援助(第6条第2項第6号)

障害者支援施設

  • 根拠法:障害者総合支援法
  • 機能:
    入所支援
    施設障害者福祉サービス

地域活動支援センター

  • 根拠法:障害者総合支援法
  • 機能:
    障害者に創作的活動
    生産活動の機会の提供
    社会との交流の促進
    その他厚生労働省令で定めること

福祉ホーム

  • 根拠法:障害者総合支援法
  • 機能:
    低額な料金で居室その他の設備を利用させること
    日常生活に必要なものを供与すること

知的障害者更生相談所

  • 根拠法:知的障害者福祉法
  • 機能:
    更生援護に関する市町村間の連絡調整、情報提供、援助(第11条第1項第1号)
    知的障害者に関する専門的な相談・指導(第11条第1項第2号ロ)
    18歳以上の知的障害者の医学的・心理学的・職能的判定(第11条第1項第2号ハ)
    介護給付費等の支給要否決定に関して意見を述べること、当該の障害者・家族・医師等から意見を聴くこと(障害者総合支援法第第22条第2項・第3項)
    介護給付費等に関する、市町村に対する協力・援助(障害者総合支援法第26条)
    地域相談支援給付費等の給付に関する、市町村に対する協力・援助(障害者総合支援法第51条の11)

障害者就業・生活支援センター

  • 根拠法:障害者雇用促進法
  • 機能:
    支援対象障害者からの相談、指導・助言、関係機関との連絡調整(第28条第1項第1号)
    職業準備訓練の斡旋(第28条第1項第2号)
    支援対象障害者が職業生活における自立を図るために必要な業務(第28条第1項第3号)

障害者職業センター

  • 根拠法:障害者雇用促進法
  • 障害者職業総合センターの機能:
    職業リハビリテーションに関する調査・研究(第20条第1項第1号)
    障害者の雇用に関する情報収集・分析・提供(第20条第1項第2号)
    障害者職業カンセラー・職場適応援助者の養成・研修(第20条第1項第3号)
    職業リハビリテーションに関する助言・指導(第20条第1項第4号)
    障害者の職業評価、職業指導、職業準備訓練、職業講習(第20条第1項第5号イ)
    知的障害者等に対する職場への適応に関する助言・指導(第20条第1項第5号ロ)
    事業主に対する障害者の雇用に関する助言・援助(第20条第1項第5号ハ)
    上記に附帯する業務(第20条第1項第6号)
  • 広域障害者職業センターの機能:
    厚生労働省令で定める障害者に対する系統的な職業評価、職業指導、職業講習(第21条第1項第1号)
    上記を受けた障害者を雇用する・雇用しようとする事業主に対する障害者の雇用管理に関する助言・援助(第21条第1項第2号)
    上記に附帯する業務(第21条第1項第3号)
  • 地域障害者職業センターの機能:
    障害者に対する職業評価、職業指導、職業準備訓練、職業講習(第22条第1項第1号)
    雇用されている知的障害者等に対する職場適応に関する助言・指導(第22条第1項第2号)
    事業主に対する障害者の雇用管理に関する助言・援助(第22条第1項第3号)
    職業適応援助者の養成・研修(第22条第1項第4号)
    職業リハビリテーションに関する助言・援助(第22条第1項第5号)
    上記に附帯する業務(第22条第1項第6号)

4領域の福祉施設の根拠法と機能