中学生・高校生でカウンセラーになりたいと思っていても、どうやったらカウンセラーになれるのかわからない人もいますよね。公認心理師や臨床心理士など、カウンセラーの資格はいろいろあるし、どうすればいいのか困っている人もいると思います。
僕が高校生のとき、進路のことで高校の先生との話で「カウンセラーになりたい」とは言いませんでしたが、大学で心理学を学びたいという話をしました。そのときイメージしていた心理学と、実際に学んだ心理学の違いに驚きました。
高校の先生は心理学がどういうものなのか知らなかったのかもしれません。重要なことを教えてもらえなかったのは、そのせいかなと思っています。
中学生や高校生の人でカウンセラーになりたいと思っているなら、学校の先生よりスクールカウンセラーに聞いてみた方が正確なことを教えてもらえるかもしれませんね。学校の先生もすべてのことを知っているわけではないので。もちろん、どの高校・大学を受けるか、受験勉強をどうするかなどは学校の先生に相談するのがいいと思います。
さて、今はインターネットを使えばたくさんの情報を見つけることができます。でも、その情報は間違っていたり、古かったりすることもあります。
そこで、どうしたらカウンセラーになれるのか、公認心理師とか臨床心理士という資格は何なのか、カウンセラーになるために今から何をやっておけばいいのか、などなどについて説明していこうと思います。
カウンセラーになるにはどうしたらいい?
ちょっと調べれば、カウンセラーになる方法は見つかると思います。でも、資格がどうのとか、よくわからなかったりしますよね。
実は、カウンセラーになるには、「私はカウンセラーです」と言うだけでいいのです。
意外かもしれませんが、今(2018年)の日本ではカウンセラーになるために特別な資格は必要ありません。誰でも、今からカウンセラーと名乗れば、カウンセラーになることができます。
だから、あなたが今中学生や高校生で、カウンセラーになりたいと思っているなら、今カウンセラーと名乗ればカウンセラーになることができます。
これは大人も同じで、心理学なんて全く知らなくてもカウンセラーになることができるのです。
これが現実ですが、実際のところは資格を持っている人たちがたくさんいます。臨床心理士が一番有名な資格ですね。最近心理業界を騒がせているのは公認心理師という資格です。
資格がなければカウンセラーになれないわけではありませんが、資格を持っていると有利なのは事実です。特にスクールカウンセラーになりたかったり、病院のカウンセラーになりたかったりする人は、資格が必要になります。
ということで、資格について見ていきましょう。
公認心理師って何? どうやったらなれるの?
本屋さんで心理学関係のコーナーに行くと、「公認心理師」と名前のついた本が置いてあります。心理学業界ではかなり有名で知らない人はいないと言ってもいいくらいの資格ですが、一般的にはあまり知られていないかもしれません。
もしかしたら、高校の進路指導の先生でも公認心理師を知らない人もいるかもしれません。
公認心理師というのは日本で初めてできた心理職の国家資格です。
心理職の国家資格を作ろうという動きは以前にもありましたが、ここでやっと国家資格である公認心理師ができました。
公認心理師は公認心理師法という法律によって決められた資格です。
公認心理師法は、2015年(平成27年)9月9日に成立して、9月16日に公布されました。施行されたのは2017年(平成29年)9月15日です。
そして、第1回公認心理師国家試験が2018年(平成30年)9月9日に実施されました。
2018年11月12日時点では、まだ合格発表前なので公認心理師は1人もいません。
公認心理師は国家資格なので、いろいろな分野で優先的に採用されていく可能性があります。そのため、これからカウンセラーになろうと思っているなら、必ず取っておきたい資格の1つです。
公認心理師になるためには、公認心理師対応カリキュラムを持っている大学を卒業することが必要です。それから、公認心理師対応カリキュラム持っている大学院を修了するか、指定された実務経験を積むことで受験資格を得ることができます。
医者になるために医学部に行くことをイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
公認心理師になる方法は「公認心理師になるには? 資格取得までのルートを解説!」にまとめてあります。
臨床心理士って何? どうやったらなれるの?
公認心理師が国家資格ということはわかりましたが、臨床心理士は何なのでしょうか?
臨床心理士が国家資格だと勘違いしている人も多いようですが、臨床心理士は国家資格ではありません。ここは重要なポイントなので覚えておきましょう。
臨床心理士は公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会というところが認定している資格です。
公認心理師が誕生したらどうなるかはわかりませんが、現在は臨床心理士が最も優遇されている心理職の資格の1つだと思います。これからどうなっていくかわからないので、臨床心理士資格を取ることも考えておいた方がいいと思います。
臨床心理士になるには、指定大学院と呼ばれる大学院を修了する必要があります。そうすることで受験資格を得ることができます。
臨床心理士は公認心理師と違って、大学はどこでも問題ありません。ただ、大学院に入学するためには心理学の勉強をする必要があるので、中学生・高校生でカウンセラーになりたいと思っているなら大学から心理学を学んでおくといいでしょう。
結局、公認心理師と臨床心理士って何が違うの?
公認心理師と臨床心理士の違いというのが一番気になるところですよね。
公認心理師と臨床心理士の大きな違いは国家資格かどうかです。
公認心理師は国家資格なので、公的機関や医療機関で優先的に採用されていくことが予想されます。すでにスクールカウンセラーでは公認心理師が臨床心理士の上に来ているので、公認心理師が誕生したら臨床心理士より優先して採用されることになるかもしれません。
この辺は公認心理師が誕生してからでないとわからないことばかりですが、カウンセラーの資格を取るのであれば国家資格である公認心理師が最優先ということになると思います。
実際にできることで比べると、公認心理師も臨床心理士もほとんど変わりません。カウンセラーになるために特別な資格は必要ないからです。
ただ、公認心理師は公認心理師法で縛られているので、臨床心理士より気を付けるポイントが多いという印象があります。詳しいことは、また別の機会に。
これから大学に行ってカウンセラーになろうと思っているのであれば、公認心理師に対応したカリキュラムを持っている大学に入ることをオススメします。そうしないと公認心理師になれないからです。
臨床心理士は大学院からですし、公認心理師と臨床心理士の両方の資格を取れる大学院もあるので、大学院に進学するときに公認心理師一本にするか、臨床心理士も取るか、という選択をすればいいでしょう。
カウンセラーになるために今やらやっておいた方がいいことは?
僕が大学で心理学を学んで一番驚いたことは、それまで持っていた心理学のイメージからかけ離れていたことです。
心理学は文系の学問というイメージがありましたが、大学の同期の人たちと話していたのは、「心理学は文系でも理系でもなく、心理学系」ということです。
実は、心理学に数学が必須なのです。
もっと正確に言えば統計学です。心理学には科学になろうと努力してきた歴史があって、そのために統計学を活用しています。
公認心理師のカリキュラムの中に「心理学統計法」というのが入っていることからも、統計が必要なのがわかります。ここが心理学を学んだ人とそうでない人の心理学に対するイメージの違いとして大きいような気がしています。
大学の同期で、完全に文系の人がいましたが、統計の授業でものすごく苦労していました。僕はありがたいことに数学が好きで、受験に必要ない数学III、数学Cまで高校で取っていたのでそこまで苦労しませんでしたが、大変ではありました。
心理学の勉強は大学に入ってから十分にやるので、中学・高校では数学をしっかりとやっておくことをオススメします。
ただ、数学が苦手だからといってカウンセラーを諦める必要はありません。数学が苦手な臨床心理士もいますし、数学が得意だからいいカウンセラーになれるわけでもないですからね。
まとめ(2018年版)
- カウンセラーになるのに特別な資格は必要ない
- 公認心理師や臨床心理士などの資格を持っていた方がいい
- 公認心理師は国家資格で、臨床心理士は民間資格
- 公認心理師は大学から、臨床心理士は大学院から
- これから大学に入るなら公認心理師対応カリキュラムのある大学へ
- 中学・高校では数学をしっかり勉強しよう