視細胞の錐体細胞・桿体細胞とその覚え方

視細胞には錐体細胞桿体細胞があります。たった2種類ですが、覚えることに苦労している人も多いのではないでしょうか?

今回は、錐体細胞と桿体細胞について説明し、その覚え方を紹介します。

錐体細胞と桿体細胞

視細胞である錐体細胞と桿体細胞ですが、心理学では明順応・暗順応とも関係があります。

錐体細胞と桿体細胞について見ていきましょう。

錐体細胞

有斐閣の『心理学辞典』には、錐体細胞について次のように書かれています。

明所で働き明暗感覚および色覚に関与する錐体(p.463)

『心理学辞典』有斐閣

錐体細胞は明るいところで働き、色覚に関与しています。

明るいところでは色がわかりやすく、暗いところでは色がわかりにくいのは、色覚に関与する錐体細胞が明所で働くからということなのでしょう。

また、錐体細胞について、有斐閣の『心理学辞典』には次のようなことも書かれています。

錐体には3種類あり、それぞれ可視スペクトルの短波長(約430nm)、中波長(約530nm)、長波長領域(約560nm)に感度のピークをもつ。(p.463)

『心理学辞典』有斐閣

錐体細胞が3種類あり、それぞれ感度のピークが異なることが、色覚メカニズムの三色説の根拠となっています。

色の知覚については「色の知覚-加法混色・減法混色、三色説・反対色説・段階説」に書いてあります。

桿体細胞

桿体細胞については、有斐閣の『心理学辞典』に次のように書かれています。

桿体は暗所視の役割を担っている。網膜の中心窩には存在せず、傍中心窩で最も分布密度が高い。(p.146)

『心理学辞典』有斐閣

桿体細胞は暗所視を担っている細胞です。色覚については書かれていません。

桿体細胞は網膜の中心には存在せず、周辺部分での密度が高いという特徴があります。これについては、『公認心理師必携テキスト』にも書かれています。

錐体は網膜の中心部分に密に分布しており、桿体は網膜の周辺部分に分布している。(p.145)

『公認心理師必携テキスト』

錐体細胞と桿体細胞の特徴まとめ

錐体細胞の特徴
  • 明所視を担っている
  • 色覚に関与
  • 可視スペクトルに対する感度が異なる3種類の細胞がある
  • 網膜の中心に分布
  • 色の知覚の「三色説」に関係している
桿体細胞の特徴
  • 暗所視を担っている
  • 網膜の周辺部分に分布

錐体細胞と桿体細胞の覚え方

中心視野はカラーで解像度が高く、周辺視野は白黒で解像度が低いと言われています。これは視細胞の分布と関係があるのでしょう。

錐体細胞と桿体細胞の解像度については、『はじめて出会う心理学』に書かれています。

錐体は、色を区別することができ、杆体に比べて解像度が高いという性質があります(p.159)

『はじめて出会う心理学』

「杆体」は『はじめて出会う心理学』では、「杆体(または桿体)」と書かれているので、「桿体」と同じものを指しています。

網膜の中心には錐体細胞が多く集まっています。錐体細胞は色覚を担っていて解像度が高いため、中心視野はカラーで解像度が高くなります。

一方、網膜の周辺部分には桿体細胞が多く集まっています。桿体細胞は解像度が低く、色の区別ができません。そのため、周辺視野は白黒で解像度が低くなります。

これらに加えて、暗所視を担っている担っている桿体細胞は、光に対する感受性が高いと言えます。

「カン」受性が高い「カン」体細胞です。

まとめ

錐体細胞・桿体細胞と、その覚え方をまとめると次のようになります。

ポイント
  • カラーで解像度が高い中心視野と関係する網膜の中心部に錐体細胞が多く集まっている
  • 白黒で解像度が低い周辺視野と関係する網膜の周辺部分に桿体細胞が集まっている
  • 「カン」体細胞は光に対する「カン」受性が高い