少年法の目的と少年の定義、非行少年の分類

少年法にはいわゆる「非行少年」と呼ばれる少年の分類があります。少年法やそれに関係する制度などを理解するためには、非行少年が重要なものとなります。

公認心理師国家試験でも少年法は重要な法律であるため、非行少年についてしっかりと覚えておく必要があります。

今回は、少年法の目的と少年の定義、非行少年の分類について説明します。

少年法

少年法は児童福祉や司法において重要な法律の1つです。その目的と、少年の定義を見ていきましょう。

少年法の目的

子どもは「小さな大人」ではないため、子どもの行為に対して大人と同じような対応をすることには問題があります。

少年法は、子どもには特別な対応が必要という趣旨から作られた法律と言えるでしょう。

少年法の目的は少年法第1条に書かれています。

第1条
この法律は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別な措置を講ずることを目的とする。

少年法

少年法の目的の重要なところは、「少年の健全な育成を期し」という部分にあります。罰すればいいという視点で作られた法律ではないことを知っておく必要があります。

その上で、性格の矯正、環境の調整を行い、少年の刑事事件に対しては特別な措置をすることができるように、少年法が作られています。

さらに、すべての事件を家庭裁判所に送致するという「全件送致主義」も特徴の1つです。

少年の定義

「少年」という言葉は、一般的に「少女」と対になって使われることが多いと思います。しかし、少年法における「少年」は一般的な使い方とは異なっています。

第2条
この法律で「少年」とは、二十歳に満たない者をいい、「成人」とは、満二十歳以上の者をいう。

少年法

少年法における「少年」の定義は、性別は関係なく、「20歳未満」である人となっています。

少年法における非行少年

少年法には「非行少年」という表現はなく、「非行のある少年」という表現が第1条と第22条にあるだけです。

少年法における非行少年は、少年法では「審判に付すべき少年」となっています。

少年法では、「審判に付すべき少年」を犯罪少年、触法少年、虞犯少年の3種類に分けています。

少年法における審判は「少年法における家庭裁判所の審判とその決定」にまとめてあります。

犯罪少年

犯罪少年については、少年法第3条第1項第1号に書かれています。第3条第1項とともに見てみましょう。

第3条第1項
次に掲げる少年は、これを家庭裁判所の審判に付する。
第1号
罪を犯した少年

少年法

「罪を犯した少年」は「犯罪」をしているという意味で、「犯罪少年」と呼ばれます。

触法少年

触法少年については、少年法第3条第1項第2号に書かれています。

第3条第1項第2号
十四歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年

少年法

触法少年は、14歳未満であることが条件となっています。その上で、刑罰法令に触れる行為をした少年が、触法少年です。

虞犯少年

虞犯(ぐはん)少年は、少年法第3条第1項3号に書かれています。

第3条第1項第3号
次に掲げる事由があつて、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年
イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
ロ 正当な理由なく家庭に寄り附かないこと。
ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入りすること。
二 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。

少年法

虞犯少年の「虞」は「おそれ」と読みます。そのため、虞犯少年は「犯罪を犯すおそれのある少年」という意味です。

少年法は罰することを目的とした法律ではなく、少年の健全な育成が目的となっているので、予防的な意味で虞犯少年の規定があると思われます。

犯罪少年、触法少年、虞犯少年の区別

犯罪少年、触法少年、虞犯少年の中で年齢に関する規定が入っているのは触法少年だけです。そして、少年法自体は20歳未満を対象とした法律となっています。

これらのことを踏まえて考えると、犯罪少年、触法少年、虞犯少年の区別は次のようになります。

犯罪少年:14歳以上20歳未満で罪を犯した少年

触法少年:14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年

虞犯少年:将来罪を犯す虞のある少年

14歳を境にして非行少年に対する扱いが変わることがわかります。また、14歳未満は児童福祉法による措置が優先されるという特徴があります。

触法少年と14歳未満の虞犯少年については、要保護児童として児童福祉法による措置が優先される。(p.178)

公認心理師の基礎と実践23 関係行政論

児童福祉法による措置が優先される根拠となるのは、少年法第3条第2項です。

第3条第2項
家庭裁判所は、前項第二号の掲げる少年及び同項第三号に掲げる少年で十四歳に満たない者については、都道府県知事又は児童相談所長から送致を受けたときに限り、これを審判に付すことができる。

少年法

14歳未満の少年を少年法で規定された審判に付すことができるのは、都道府県知事か児童相談所長から家庭裁判所に送致された場合に限るという規定です。

ここからも、14歳を境として非行少年に対する扱いが変わることがわかります。

まとめ

少年法における非行少年は、犯罪少年、触法少年、虞犯少年に分けられています。それぞれは次のように区別されます。

  • 犯罪少年:14歳以上20歳未満で罪を犯した少年
  • 触法少年:14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年
  • 虞犯少年:将来罪を犯す虞のある少年

また、14歳未満の非行少年については、児童福祉法による措置が優先されます。

少年法における審判に付すべき少年の事件は家庭裁判所が調査することになっています。家庭裁判所の調査については、「少年法における家庭裁判所の調査はどのように行われるのか?」に書いてあります。


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