事例で学ぶ認知行動療法

認知行動療法を学ぶには、理論的なところに加えて、実際にどのように行われているかを知ることが重要です。

事例から認知行動療法を学ぶには、『事例で学ぶ認知行動療法』が役に立ちます。

『事例で学ぶ認知行動療法』は単に事例が書かれているだけでなく、認知行動療法の理論や技法についての解説もあります。

事例で学ぶ認知行動療法

『事例で学ぶ認知行動療法』は、スキーマ療法の日本での第一人者である伊藤絵美先生が書かれた本です。

認知行動療法の概説から始まり、代表的な精神疾患の事例を使って認知行動療法について説明されています。単なる事例集ではなく、理論的なことも含めて丁寧な解説があります。

理論と実践を繋ぐ1冊としてとても役に立つ構成になっています。

まずは目次を見てみましょう。

事例で学ぶ認知行動療法の目次

序章 認知行動療法概説
第1章 大うつ病性障害
第2章 気分変調性障害
第3章 複雑な気分障害
第4章 パニック障害
第5章 強迫性障害
第6章 社会不安障害・対人恐怖
第7章 摂食障害
第8章 境界性パーソナリティ障害

『事例で学ぶ認知行動療法』

第1章~第8章の各精神疾患の事例を使って、認知行動療法がどのようなものかを知ることができます。

全部で12事例あり、各精神疾患の事例数は次のようになっています。

  • 大うつ病性障害:1事例
  • 気分変調性障害:1事例
  • 複雑な気分障害:2事例
  • パニック障害:1事例
  • 強迫性障害:2事例
  • 社会不安障害・対人恐怖:2事例
  • 摂食障害:2事例
  • 境界性パーソナリティ障害:1事例

各事例は、使用された技法の説明を含み、初回から終結までの流れで書かれています。

事例で学ぶ認知行動療法の概要

『事例で学ぶ認知行動療法』は、事例を通して認知行動療法が学べる構成となっています。

認知行動療法は技法の寄せ集めという誤解をされることがありますが、『事例で学ぶ認知行動療法』では、丁寧にアセスメントして、クライエントに合わせた介入をしている様子がわかると思います。

出てくる技法は次の通りです(アセスメントなどの技法は除く)。

  • 認知再構成法
  • 問題解決法
  • 曝露法(エクスポージャー)・曝露反応妨害法
  • リラクセーション法
  • 注意分散法
  • コーピングリスト

これから認知行動療法を学ぼうと思っている人、認知行動療法を学び始めたばかりの人にとって、とても役に立つ1冊ですが、今まで経験したことのない精神疾患に対して認知行動療法をどのように行うかを知るためにも活用できます。

『事例で学ぶ認知行動療法』はマニュアルに従った認知行動療法ではなく、テーラーメイドの認知行動療法をどのように行うかを知ることができる本です。

そのため、マニュアルに従った認知行動療法の実際を知りたい人にとっては、あまり役に立たないと思います。

マニュアルを使った認知行動療法を学ぶことには向いていませんが、『事例で学ぶ認知行動療法』は認知行動療法の基本的な考え方やケースの進め方などを知ることができる構成となっています。

テーラーメイドの認知行動療法の実際を知りたい人にとっては必読の1冊と言えます。

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